開幕戦から3週間後であるゴールデンウイークにSUPER GT第2戦が始まった。3月に富士でテストを2回行った8号車はそのテストで好感触を得ていた。
そのセットでのフリー走行はとても手応えのあるものだったが、いざ予選が始まってみると午前のフィーリングとは少々違うものになっていた。

Q1を担当した大津弘樹選手は戸惑いながらも、集中してアタックに入って行った。しかし、前を走行する車に追いついてしまい、思うようなアタックを行う事が出来なかった。
しかしながら、トップと0.3秒差という好タイムで8番手のタイムを記録し、Q2進出を決めた。

Q2開始と同時に雨が降り始めたが、路面を濡らすまでの雨にはならなかった。しかし、この後に雨が強くなるかどうか分からなかった太田格之進選手は早めにコースインしてタイムアタックを行った。Q1より2つポジションを上げて、6番手のスターティンググリッドを確保した。
満足の行くポジションでは無いが、明日のコンディションや戦略を考慮すると、十分期待できるレースを展開出来ると考えている。
「前回のテストからフィーリングが良かったので、そのセットで持ち込みました。走り出しからバランスは良かったので、予選も良いポジションを獲れると思っていたので微調整をして挑みました。Q1は突破したものの、16との間合いがうまくコントロール出来なくて、思っていたようなタイムが出ませんでした。大津もフィーリングが良いと言っていたのでQ2は期待していたのですが、路面温度とタイヤのマッチングが良くなかったので、パフォーマンスを出し切れませんでした。しかし、明日のコンディションと今のタイヤは合っていると思うので、好結果に繋げられるように頑張ります」
「岡山で悔しいレースをしてしまいましたが、今回のゴールデンウイークのレースは1年の中で最もお客さんが入るレースなのでチームとしっかりと準備を進めてきました。予選は6番手でしたが、自分達の力を最大限発揮出来た結果だったと思っていますし、明日3時間の長丁場のレースなので良い結果を望めるポジションだと思っています」
「フリー走行から手応えは良くて、前回のテストから変えた部分もありますし、フリー走行で良いアイテムを見つける事も出来ました。予選に向けても自信を持って臨める走行だったと思いました。Q1は前の車との距離が詰まってしまって、本来のパフォーマンスを発揮できないところはありましたが、何とか通過出来て太田選手につなげたのはポジティブな要素だったと思います。太田選手もQ2で良い走りをしてくれて、6番手のポジションを得る事が出来ました。決勝に向けてチャンスは沢山あると思うので、フリー走行での良かったところを生かして表彰台以上を狙えるようにしたいと思います」
開幕戦は満足の行く結果では無かったが、6位でポイントを獲得した事はチャンピオンシップを戦って行くうえでは良い結果を得られたと思っている。
今回の富士はフリー走行から苦戦してしまった。3月のテストでは好感触を得ていたが、いざ5月の富士に持ち込んだところ、車のバランスは大きく変わってしまっていた。

そんな状況でもQ1を担当した野尻智紀選手は9番手のタイムを叩き出しQ1突破を決めた。車のバランスが満足の行くものでは無かったにも関わらず、Q1を突破出来たのは野尻選手のスーパードライビングに頼るところが大きかった。

Q2を担当した佐藤蓮選手は、タイヤのウォームアップに時間をかけてアタックへ入って行った。
Q2も満足の行くバランスに車が仕上がっていなかったものの、8番手のポジションを得る事に成功した。明日のコンディションを考慮するとポジションを上げて行ける手応えがあるので、決勝を楽しみにしてもらいたい。
「Q1突破して良かったのですが、ホンダ勢は下の方に沈んでいるので、なんとか決勝セットを合わせてこんで、トヨタについていけるようにしたいですね。ついて行くことが出来れば勝負はできると考えています。ポジション的にも表彰台を狙えるところにいると思いますので明日は頑張ります。ロングはこの前の公式テストではかなり良かったので、期待できると思っています。明日の気温にタイヤが合いそうなので、かなり期待しています」
「16も富士のテストのベースを持ち込みました。思った以上にバランスが取れず苦戦しましたが、何とかQ1は通過出来ました。原因は判明していませんが、Q2も思うようなパフォーマンスを発揮する事が出来ませんでした。しかし、決勝のコンディションを考慮すると十分に上を狙えるパフォーマンスを発揮できると考えています」
「望んでいた結果よりは下になってしまいました。明日は気温が今日より上がりそうですし、我々が履いているタイヤは明日のコンディションに向いていると思うので、まだ希望はあると思っています。3時間のレースでどんな展開になるか分かりませんが、しぶとく強く戦って表彰台を狙って行きたいと思います」
「本日の予選はフリープラクティスからあまり良い状態では走れていなくて、予選に向けて改善はしていったものの、まだトップには及ばないという結果で8番手という結果になりました。明日の決勝に向けて、ロングの走行状態は非常に今日の調子も良さそうなので、決勝の方がむしろ自信がある。しっかり追い上げられるように準備をしていきたいなと思います」
朝方まで台風のような天候でスタートまでにどうなるか心配されたが、風は強いものの晴天になり、ウォームアップ走行が始まった。決勝用のセットはバランスが良く、上位を狙えそうな手応えがあった。
今回の第2戦は3時間の時間レースで行われた。スタートドライバーは大津弘樹選手だ。
クリーンスタートを切り、6周目の1コーナーで前車をパスし、5番手にポジションアップ。ペースも良く、更に前を追って行ったが、11周目に勢いのあるチームメイトに抜かれてしまう。更に14周目には8番手までポジションを落としてしまう。ウォームアップ走行でのフィーリングとは異なり、なかなかペースを上げる事が出来ず、19周目には9番手になってしまった。更に22周目までに11番手までポジションを落としてしまう。

順位を落とし始めたタイミングで路面温度がスタート時とは大きく低下し、気温変化に伴うタイヤのマッチングが悪化してきたようだ。ペースが上がらず、24周目にピットイン。ドライバー交代は行わず、タイヤ交換と給油のみで大津選手をコースへ送り出した。タイヤ交換後のペースは悪く無かったが、なかなか順位を上げる事が出来ない。43周目を過ぎたあたりからルーティンのピットインを行う車両が増え、46周目には11番手にポジションアップ。前を走行していた車がトラブルでスロー走行になり、ここでFCYが導入される。
2周後にFCYは解除された。前後の順位の車両との差が大きく、順位は変動せず周回が続いた。
70周目にルーティンのピットインを行い、太田格之進選手に交代。12番手でコースに復帰。

11番手との差が開いていたので、なかなか順位を上げられなかったが、6番手を走っていた車がトラブルでピットイン、87周目に11番手に上がった。何とかポイントを獲得すべく10番手の車を追ったが、3時間が経過してしまい、無念のチェッカーとなってしまった。
第3戦のマレーシア大会が中止になってしまった為、次回のレースは8月に同じ富士スピードウェイで開催される。今回の屈辱を次戦で晴らしたい。
「スタートして10周目くらいまでは良い感じだったけど、気温が下がり始めてから急にパフォーマンスが落ちてきてしまった。チームメイトは気温低下による大きな影響を受けていなかったので、しっかり比較して原因を突き止めたいね。
2戦連続でポイントを獲れていないので、次はしっかりポイントを獲りたいね。このチーム、ドライバーにはチャンピオンを獲れるポテンシャルがあるので信じて突き進むだけ」
「ウォームアップはドライバー達のコメントも良くて、レースは期待していたのですが、いざレースが始まってみたら思ったようなバランスで走れなくて、ドライバーにも苦労させてしまい、結果も良く無かったですね。バランスが悪くなってしまった原因をしっかり調べて次につなげたいです」
「公式練習では手応えがあって、予選が6番手で、ショートランでは良いパフォーマンスを発揮出来たと思っています。レースも良いペースで走れると思っていましたが、ロングのペースに苦戦してしまい、結果的に11番手でポイントも獲れず悔しいレースになってしまいました。次回のレースまで時間が空くので、データを見直して前進して行きます」
「何もかもうまく行かなくて、全てのスティントでペースが悪かったですし、特に序盤で差をつけられてしまったので、後半に向けてタイヤの内圧などアジャストしてもらいましたが、なかなかペースを上げられませんでした。多くの課題が残ってしまいました。予選の1発は悪く無かったと思いますが、ロングランについては本当に上手く行かなかったと思っています。原因を探って、次の富士なので同じようなレースにならないように改善していきたいと思います」
8番手からのスタートとなった#16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GTは決勝に向けたセット変更を行い、ウォームアップ走行に挑んだ。ウォームアップの手応えは良く、決勝に向けてチームはとてもポジティブな雰囲気になった。
スタートドライバーは野尻智紀選手。1周目でひとつ順位を落とすも、次の周には順位を挽回して周回していく。
野尻選手は7番手の車に果敢に攻めるものの、なかなか攻略出来なかった。5周目のコカ・コーラコーナーで前車をようやく攻略し、7番手にポジションを上げた。更に次のメインストレートで前の車を抜き、6周目には6番手にポジションアップ。
車のバランスは良さそうだ。12周目にチームメイトを抜いて5番手に浮上。車のバランスは良いものの、強風の追い風でコントロールが難しい箇所があり、野尻選手は無線で次のスティントを走る佐藤蓮選手へアドバイスを送った。

その後、3番手を走っていた車がドライブスルーペナルティを受け、27周目に4番手にポジションアップ。
40周目に3番手の車がルーティンのピットインを行い3番手に浮上したが、次の周にピットイン。佐藤蓮選手に交代した。ピットアウトで順位を争っていた車の前に出たが、タイヤが暖まりきっていなかったので抑える事は難しかった。
43周を過ぎたあたりで多くの車両がルーティンのピットインを行った。前を走行していた車がスロー走行になり、ここでFCYが導入され佐藤選手は5番手までポジションを戻す。
2周後にFCYが解除された。佐藤選手のペースはよく、4番手の車に徐々に近づいてきた。

73周目に前の2台がルーティンのピットインを行い、佐藤選手は2番手を走行。佐藤選手も73周目にピットインを行う予定だったが、300クラスの車両がトラブルでARTAのピット前に止まってしまった。ピットインを1周遅らせ、74周目にピットインを行い、タイヤ交換、給油を済ませてピットアウト。7番手でコース復帰。ピットアウト後から続いていた6番手争いを佐藤選手が制し、5番手の車を追って行った。
前の車がピットインを行い、89周目に5番手を走行。そこからデッドヒートを繰り広げたが、前車を抜くまでには至らなかった。しかし、今持っている力を野尻選手、佐藤選手、チームは最大限に発揮する事が出来、満足は出来ないが、評価出来る5位でレースを終える事が出来た。次のレースは同じ富士なので、更に良い結果を残せるように今から準備していきたい。
「16号車らしいレースを魅せられたと思っています。何と言っても野尻が8番手からスタートして、ポジションを上げて蓮につないでくれて、最終的に蓮が5位でフィニッシュしてくれました。ちょっとしたミスはありましたが、現状では評価できるレースを展開してくれたと思っています。PRELUDE-GTの中ではトップでチェッカーを受けましたが、他メーカーのライバル達の背中が見えていた訳では無いので、もっとレベルを上げて行かなくてはなりません。でも今日は本当にドライバー2人は良いレースをしてくれたと思います。次回は期待していて下さい」
「ウォームアップではフィーリングが良くて、そのフィーリングの良い状態で決勝も走れました。他メーカーの車と比べると、まだ差がありますが、我々が現時点で出来る最大限の力は発揮出来たと思っています。次回も富士なので更にポジションを上げられるように準備していきます」
「予選で沈んでしまったという印象がありましたが、ボクのスティントではそれを挽回出来たと思っています。とは言え、自分達がやれる事をやって5位という結果なのでもっともっと伸ばして行かなければならないと思っています。次の大会に向けて今回の予選、レースを振り返り、次はもっと強く戦えるように頑張ります」
「昨日の予選は気温が少し外れてしまって振るわなかったのですが、今日は序盤から野尻さんが凄いペースでどんどん追い上げてくれました。セカンドスティントもペースは良かったのですが、サードスティントになると路面温度が下がってしまって、苦しい展開になってしまいました。何とか最後まで耐える事は出来て、2戦連続でPRELUDE-GTのトップで終えられましたし、トップとの差はまだ大きいですが、今後に向けてかなり良いデータが取れたと思っています。次戦はウェイトが重くなってしまいますが、まだ狙えると思っているので、優勝、悪くても表彰台を目指して頑張ります」
鈴木亜久里監督のコメント
「まだまだ課題はあるね。予選はもちろん満足の行く結果ではないけど、現時点でのボク達の出せる力は出し切れたと思っている。ここから、どうやって順位を上げて行けるかが楽しみだけど、厳しい戦いになる事は分かっているつもり。ひとつでもポジションを上げられるような戦いを展開していきたいね」